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女性医師たちの歩み

30年を振り返って

吉田 晴子

医学部卒業後30年余りがあっという間に経過しました。この間、女性医師はずいぶんと増えました。私は眼科を専門にしておりますが、現在、(社)大阪府眼科医会では女性医師の占める割合は42%以上で、その社会的役割はウェイトを増してきております。

この30年間、私は仕事、家庭と自分の眼の前のことをこなす忙しさのあまり、女性だからといったこともじっくり考える余裕もなかったと思います。女性医師はそれぞれの環境や専門の科、立場も違い一概には言えませんが、私の場合、いろいろな機会や場所でお出会いした先輩方にロールモデルとなって頂き、折にふれ様々の助言を頂きつつやってまいりました。

当時、医師は大学や病院の保育所を利用することができず、自分で公立または私立の保育所を探さなければなりませんでした。私は京都大学等におりましたが、実家が大阪でしたので、子育てと研究、臨床の両立のためその実家の近くに住むことにしました。子どもたちは大阪の保育所に入れ、家族の助けをかり、子育てと研究、臨床を続けることができましたが、これはひとえに先生方や、実家の父母、夫など家族や周りの人々の支えがあったからこそとあらためて感謝しています。

開業してから眼科医会活動にも参加させていただき、女性医師の数が増えた現在、(社)日本眼科医会においても女性医師を支援していく活動が発足しており、その活動に微力ながら携わらせていただいておりますのでそのことを少し紹介させていただきます。社会が女性医師に理解を示し少しずつでも女性医師が働きやすい環境ができつつあることは歓迎すべきことです。(社)日本眼科医会では女性医師活性化委員会(平成22年度より男女共同参画委員会という名前になります)という委員会を設けて女性医師が働きやすい環境作りを支援しています。私も一委員としてその活動に携わらせていただいております。具体的には「日本眼科医会・日本医師会共催女子医学生・眼科研修医等と先輩女性医師との懇談会」の開催において医学生・研修医の先生達との活発な討論もありました。また、研究会、委員会等に託児所を設け、そこに参加される先生方が利用できることは子育て中の医師が研究会等に参加しやすくなります。女性医師が医会活動に参加しやすい環境整備事業への補助も検討中です。この委員会では【1】女性医師の世代を超えた交流の場を提供、【2】就労や保育環境等の情報提供等を通じ、女性医師が働きやすい環境を作るよう努力を進めています。どの学会に託児所があるかの情報を提供することにより学会に参加してもらえればと考えています。(社)日本眼科医会の取り組みを少し紹介させていただきましたが、このように私の卒業したころとは違った環境が整備されつつあります。

女性医師の数が増え、社会的に貢献する機会が多くなった現在、働きやすい環境作りの活動に少しでもお役にたてるよう、微力ながら務めさせていただきたいと思います。

2009-2013 Osaka Medical Women’s Association.