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女性医師たちの歩み

今になってやっと自分のワーク・ライフ・バランスが保てます

丸山 優子

医学部卒業と同時に結婚・出産・子育て・研究・診療とめまぐるしい半世紀を送りました。

4人の男の子供も巣立ち、やっと自分の時間が持てるようになり好きなことしようと思ったとき、あー私は運転免許がない、少しの時間でも、少しでも遠くに行きたい、その為には自動車に乗れれば何処へでも行けると思い遅まきながら運転免許証を習得しようと決心をし、短期間で習得いたしました。その時は60歳。それからは何か人生が変わったようになり、積極的に活動できるようになりました。現在は71歳ですが、この頃、ようやく私なりのライフ・ワーク・バランスが取れる気持ちのゆとりができました。

地域医療に少しでも貢献できればと考え、医師会活動に参加、女医会にも積極的に関わり、若い先生の働きやすい環境整備支援活動また、地球温暖化防止活動、青少年の育成に力を注いでいます。現在、昔のことを振り返ればよく耐えられたと思います。

当時、国試前の出産のため、臨床は無理と思い基礎の病理の大学院に入り学位論文を仕上げましたが、子供が病弱で、よく病気をしたため大学病院の小児科に入院させて頂き当直をしながら看病できる環境でした。大学院卒業と同時に、眼科の医局に入局し、当直室は医局で、ベッドは医局の椅子、汚いし、タバコの匂いの立ちこめる中での無我夢中の生活でしたが、四男妊娠した時はもう大学勤務は無理と思い、開業に踏み切りました。しかし、医療経営は子育てしながらできるものではなく、産休・育休は取れず、子供は生みっぱなしで、子育ては夫・祖父母・お手伝いさん・診療所のスタッフなどに助けられ続けました。私が今日まで女性医師として仕事が続けられたのは周りの人たちの愛情と理解それに何よりも忍耐があればこそと感謝しています。

医師として、世の中に残せる仕事・生きてきた証を確実に残せるものは何か考えている昨今です。

2009-2013 Osaka Medical Women’s Association.